Teesside Project
イギリス北東部の北海沿岸
レッドカー市街地から1.5km沖合
- 事業概要
- ・平成25年7月運転開始
- ・2,300kWが27基
- ・最大出力62,100kW
- ・風車の最高点高さ 126m
- ※平成25年9月撮影
国際的に見てもエネルギー自給率の非常に低い日本では、発電に必要な燃料を外国からの輸出に頼っているため、常に国際情勢の変化に伴う資源価格の上昇などのリスクを抱えています。
各種電力の中で、再生可能エネルギーは「純国産」エネルギーであり、発電に際して排出されるCO2等の温暖化ガスを大幅に削減できることからも、その普及拡大に大きな期待が寄せられています。
この大きな期待を受け、2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画においても、国内の全発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を、これまで2020年に13.5%、2030年に20%としていた水準から、「更に上回る導入を目指す」との目標が掲げられました。
再生可能エネルギーに関して、国内ではこれまで太陽光発電と風力発電の導入が広く進められてきましたが、特に陸上に設置する風力発電は比較的安価であり、条件の良いところでは火力発電と同等レベルまで発電コストを下げることができます。このため、再生可能エネルギー導入拡大を目指す国家施策の後押しを受け、陸上風力発電は近年急速に普及拡大してきました。
世界全体では、早くから再生可能エネルギー先進地域であるヨーロッパ諸国を中心に導入が進みました。近年では中国とアメリカの導入量の伸びが顕著ですが、日本では欧米諸国の水準ほど導入が進んではいません。
風力発電の適地は、年間を通して安定した風が吹き、建設にあたって風車輸送のための大規模な造成工事を必要とせず、発電した電気を受け入れる送電設備が整っている場所ですが、国土の狭い日本ではそのような場所が限られてきています。
そうした制約を克服するエネルギーとして、近年、脚光を浴びているのが、洋上風力発電です。
洋上では陸上に比べて強い風が安定的に吹き、輸送上の制約がないため発電効率の良い超大型風車の設置も可能です。
イギリス北東部の北海沿岸
レッドカー市街地から1.5km沖合
現状では、風力発電市場全体に占める洋上風力の割合は小さいものの、近年、欧州を中心に急速に導入量が増加しており、欧州では2020年までに累積容量約40GWに達するとの見通しも示されています。
国別の導入実績ではイギリスが圧倒的ですが、今後はアメリカや中国、その他新興国でも導入が進むと予想されています。
日本でも、世界で6番目という自国の広い海を利用して洋上に風力発電を設置できれば、そのエネルギー量はきわめて大きいと見られており、日本のエネルギー自給率向上のために必要な技術であると期待が寄せられています。